
スイスの製薬大手「ロシェ」(Roche)が、すでに55%出資し子会社化しているアメリカのバイオ企業「ジェネンテック」(Genentech)の残りの株式を468億ドル(4兆5864億円:1ドル=98円換算)で買収し完全子会社化したことが明らかになりました。
ロシェは昨年7月にジェネンテックの株主に対して1株当たり89ドルでの買収を提案していたが、これを拒否されており、完全子会社化への道のりが長期化していました。
ロシェは新たに1株あたり95ドルまで買収金額を引き上げて、ジェネンテックの株主と何とか合意に至ったようです。
ジェネンテックはガン治療薬で成功しているバイオ企業で、この買収によってグループ全体では7.5億ドル(735億円)から8.5億ドル(833億円)程度のコスト削減効果がある模様。
製薬業界では収益悪化と新薬開発で競争が激化しており、買収・合併が盛んに行われるようになってきました。最近では、ファイザーのワイス買収、メルクのシェリング・プラウ買収、日本ではアステラス製薬のCVセラピューティクス買収など、どれも買収金額が大きく大型買収案件となっています。