
2007年夏にアメリカの高級衣料小売大手の「バーニーズ・ニューヨーク」(Barneys NewYork)を買収したアラブ首長国連邦・ドバイの政府系投資会社「イスティスマル・ワールド」は、業績悪化によってバーニーズの売却を検討している模様。
2007年の買収時には、「ユニクロ」を展開する「ファーストリテイリング」と競合の末、買収金額が高騰、最終的に「イスティスマル・ワールド」の手に渡りました。
この時の買収金額は、9億4230万ドル(約850億円:1ドル=90円換算)。
日経によると、バーニーズの現在の適正価格は3~4億ドルと伝えており、07年買収時より半額以下で売却されるのではないかと見られています。
さて、興味の矛先はファーストリテイリングが買収に動くかどうかですが、個人的には微妙、もしくは金額次第ではないかと考えています。
ファーストリテイリングの08年の業績は申し分なく、財務的にも買収は十分可能です。
一方、07年時点では、M&Aによる買収を積極的に展開しようとしていた時期で、現在の「ユニクロ」などの得意分野に集中していく戦略とは若干のずれがあります。
また今後の景気の行方を考えると、高級志向のバーニーズの経営に旨みがあるかどうかも判断材料になるでしょう。
どちらにしても、ここまで消費減速基調が色濃くなると、ただ単にブランドバリュー欲しさに買収をするということはないと思われます。